第214回 自然観察会報告
産総研自然と親しむ会
日 時:平成14(2002)年8月20日(火)快晴 12:10〜13:00
場 所:外周道路外側の松林→特高変電所→テニスコート裏→北調整池南林縁・林床
参加者:矢作栄一、高橋秀知、高橋美代子、神谷国男、岐部夏子、篠山鋭一、寺島圀子、
田中秀明、安本昌彦、和佐田宣英(産総研)
観察概要: 台風一過の快晴、空気の流れに心なしか秋の気配が感ぜられました。ハエドクソウは未だ花を咲かせていましたがチゴザサは殆ど実を散らして仕舞っていました。代わってシラヤマギク,ユウガギク,キンミズヒキが花の盛り。キンミズヒキはもう大分実を着けて引っ付き虫と言われる本領を発揮していました。キキョウは前に見られた辺りには見当たりませんでしたが林床の草藪の中に1輪咲いていて救われました。コバギボウシはもう大分実になっていましたが未だ花も残していました。期待して居たノカンゾウは花の萎んだものしか見られず残念でしたが、実が大分大きくなったものが多く見られた中に蕾も僅かに残っていました。アキカラマツは殆ど未だ蕾でしたがもう花を咲かせているものもありました。ツルボやノハラアザミが咲き初め黒ずんだ皮が破れて赤くなった実を覗かせたコブシの実が落ちていたのにも季節の移ろいを感じさせられました。何年かぶりで小さく可愛いアイナエの花を見られたのは収穫でした。この花は曾ては化技研ロビー北側の湿地性の芝地に多く見られましたが除草剤で消滅させられたものでした。池の東寄りの水面上に柄を少し出してヒツジグサに似た形の黄色い花を咲かせていたものはヒメスイレンに近い園芸種と思われます。昆虫も色んな種類のが見られましたテニスコート裏でナナフシの仲間(ナナフシ目ナナフシ科)を見ましたが形からエダナナフシかナナフシモドキでしょうが『前者は桜や山吹を食べ、後者は雑木林に住み色んな木の葉を食べる。』と有るので多分後者だろうと思います。蝶ではムラサキシジミの仲間が多く花にとまっていました。ノシメトンボが多く見られましたがマイコアカネの雄が1匹草の葉にとまって居ました。顔にお化粧をしているのが雄です。蝉も今年は当たり年か盛んに鳴いていましたがアブラゼミやニイニイゼミに混じってツクツクボウシも夏の終わりを告げて声を張り上げていました。
観察した植物 : △:蕾だけか殆ど蕾だったもの ○:花の見られたもの ◎:今季花初見のもの ●:実の見られたもの ▲:未熟果実 (R):ロゼット状 〔
〕:木本 [ ]:キノコ 《 》:シダ 〈別名〉
▲○タカトウダイ,▲○ハエドクソウ,○コマツナギ,{ショウリョウバッタ},キンミズヒキ,○ツリガネニンジン,▲ヘクソカヅラ,●チゴザサ,《ワラビ》,○ツユクサ,●センボンヤリ,△オオアレチノギク,○ユウガギク,エビヅル,△ヨモギ,●ウツボグサ,○シラヤマギク,○ヒメヤブラン,●○ワレモコウ,▲コバギボウシ,○ヌスビトハギ,○キキヨウ,○ヤマハギ,○ヘラバヒメジョオン,▲山百合,○コヒルガオ,○▲ヨウシュヤマゴボウ,○▲コバギボウシ,△ウド,○ヤブカラシ,アマチャヅル,○ミツバ,△オオニシキソウ,○メヒシバ,〔●コブシ〕,○アイナエ,{ナナフシモドキ},○ママコナ,{ノシメトンボ},〔▲ゴンズイ〕,▲△ノカンゾウ,◎アキカラマツ,○エノコログサ,◎スイレン(属,黄色園芸種),◎ツルボ,{マイコアカネ},◎ノハラアザミ,○アキノタムラソウ,○タチフウロ,○ヒメジョオン,○ハルノノゲシ,●チチコグサモドキ,▲エノキグサ,○コゴメガヤツリ